どっちを選ぶ?<span>秋冬のMechanismとEssential</span>『Long Sleeve Jersey』

どっちを選ぶ?秋冬のMechanismとEssential『Long Sleeve Jersey』

今季から『Long Sleeve Jersey』も加わり、ラインナップがさらに充実した秋冬のEssentialコレクション。その一方、Pas Normal Studiosの中心的な存在であるMechanismにも近しいアイテムがあるので、どんな時にどちらを、どう選べば良いのかという疑問もありますね。そこで今回は、両者の違いと選び方を紹介します。

まずはMechanismEssentialの基本的なコンセプトの違いを確認してみましょう。

Mechanism

Pas Normal Studiosの哲学の一つでもあるレーシーでタフなライドスタイルにおける最高の性能を追求しています。具体的には以下のような特徴があります。

  • レースやハイテンポなトレーニングライド、運動強度の高いライドを想定。
  • 速度域の高いライドを想定しているのでタイトなレースフィットの着用感。
  • 雨、低温時など厳しい気象条件でのライドも想定したプロテクション性能。

Essential

Mechanismよりもリラックスしたライドシチュエーションで快適な着心地を実現しています。具体的には以下のような特徴があります。

  • ロングライドやツーリング、スピードの上下が大きくないトレーニングなど、レーステンポよりも強度を抑えて一定ペースで走るようなライドシーンを想定。
  • オフバイクでも動きやすい、Mechanismよりも若干リラックス感のあるフィット感(ジャージのみ)。

暖かさ重視のEssential
通気性も重視のMechanism

そんなMechanismとEssentialのコンセプトから、両者で展開されている裏起毛のジャージ『Long Sleeve Jersey』を比較してみました。

ともに裏起毛の生地を使ったアイテムですが、その仕様は異なります。Essentialの方が生地は厚手で、なおかつ裏起毛の毛足も長い仕様です。ひと言で機能の違いを表すと、Essentialの方がMechanismよりも保温性に富んでいます。

その理由はEssentialが想定するライドがMechanismよりも運動強度が低いことにあります。つまりライドで体温は激しく上昇しないので寒さを感じやすくなります。ゆえにEssentialは暖かさを重視した作りなのです。もちろんウェア内でオーバーヒートを起こさないよう、裏起毛はグリッド状として表面積を増やすことで、汗の素早い吸湿・速乾を促しています。

対するMechanismは、裏起毛ながらEssentialよりも生地は薄く、起毛の毛足も短めなので保温力自体はEssentialよりも低いです。つまりMechanismは、ハイテンポなライドで必要な保温性を確保しながら、ライダーの体温の上昇、発汗が多くなった場合でもウエア内の余分な熱気や湿気を的確に外へと逃がし、オーバーヒートを防ぐことにも重点が置かれています。


Mechanism

Essential

グリッド構造のEssentialは毛足が長いので暖かさに優れます。

体に沿うラインのMechanism
程よいゆとりのEssential

次はフィット感を比べてみました。Mサイズの両者(Mechanism=ネイビー/Essential=オフホワイト)を、平置きにして各部のサイズを測ると以下のような差となりました。

Mechanism

身幅(脇下の最大値):44cm
身頃:54cm(前)、59cm(後)
腕周り:12cm

Essential

身幅(脇下の最大値):48cm
身頃:53.5cm(前)、58.5cm(後)
腕周り:15cm

丈はほぼ同じですが、やはり身幅と腕まわりサイズに差があります。筆者は通常MechanismのMサイズを着用しますが、Essentialに袖を通すと腕周まわりにやや余裕を感じるものの、身頃はだぶつく程ではありません。

Mechanismは生地の高い伸縮性により肌に吸い付くような着心地でボディラインが出るレーシングフィットが気持ちいいです。対するEssentialは、Mechanismほどボディラインは出ない程よいフィット感が絶妙で、オン/オフバイク共にリラックスできる着心地です。でもジャージがばたつくようなこともありません。

そのほか襟の作りは、Essentialの方が首回りは大きく、襟も高く設計されています。Mechanismは全体的に小ぶりな作りです。バックポケットの作りにも違いがあります。Mechanismはポケット自体が深くて縦長。Essentialは深さが抑えられ横長です。タイトフィットのMechanismは着用した際にEssentialよりもポケットの位置が上がりやすいので、サイドポケットの挿入部が斜めにカットして携行物の出し入れをしやすくしています。

そして重量はEssentialが310g、Mechanismは234g。Mechanismの方がかなり軽量に作られています。やはりこうした点からも、空力を重視したタイトフィットで軽量なMechanismは、ハイテンポなライドでの使用を重視していることが分かります。


Mechanism

Essential

オンラインストアの製品画像では、両者の身幅に大きな差は見られないのですが、実際に平置きにして計測すると身幅の違いは一目瞭然です。


Mechanism

Essential

Essentialは襟まわりの作りが大きく、着用時はMechanismよりも首回りに余裕があります。高めのカラー部により暖かさも優れます。


Mechanism

Essential

フィット感の違いを考慮して、EssentialとMechanismではポケットの作りにも違いがあります。

まとめ
運動強度の違いと着用感の好みで自分好みの1着を選ぶ

同じ『Long Sleeve Jersey』でも、Mechanismはタイトな着心地でオンバイクでの動きやすさがあります。対するEssentialはややゆとりがあるフィット感で暖かさを重視しています。両者は想定する運動強度の違いからくるものです。

Mechanism

やや薄手の生地感を生かしオンバイクで動きやすく、高強度のライド時の温度変化に対して、ジレなどでレイヤリング対応しやすい。速度の上げ下げの多いグループライド、トレーニングライドに最適。

Essential

締め付け感は抑え気味でオフバイクでも快適性が高く、暖かさにも優れるのでカフェライドのように一定ペースでリラックスして走るときに最適な暖かさを得ることができます。また、抑えられたフィット感は、ボディラインが気になるサイクリストの方々にもお勧めです。

上に記したMechanismとEssentialの特徴はあくまで目安です。ご自身のライドスタイル、寒がりか、寒さに強いかなど体質でもお選びいただくことが大事です。もちろんEssentialでトレーニング、Mechanismでカフェライドも十分にお楽しみ頂けます。